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  • text by 秦理絵 / photo by 江隈麗志

    昨年9月にスタートしたバンド最大規模の全国ワンマンツアー「Kisses and Kills Tour 2018-2019 A/W」がアリーナシリーズに突入した。名古屋を皮切りに、神戸、福岡を経て、横浜でファイナルを迎える4公演はTHE ORAL CIGARETTES初のアリーナツアーだ。ここでは4ヵ月にわたるアリーナツアーに連動したメンバーソロインタビューを行っていく。2017年に日本武道館、昨年は大阪城ホールを成功させ、着実にアリーナバンドへと成長した4人は何を思っているのか。第一弾は、初日ガイシホール終えたばかりの鈴木重伸に話を訊いた。

    お客さんの反応がいつもと違う「Kisses and Kills Tour」

    ------まずはガイシホールを終えてみて、率直にどんな手応えを感じてますか?
    まだ喋れないことが多いから、フワッとしちゃうんですけど……。現段階では「あ、伝わってくれたみたいで良かったな」っていう感触ですね。ライブが終わった瞬間は「やりすぎたかな?」って、メンバーとも話してたんですけど。
    ------やりすぎた?
    僕らはすごく気持ちよかったんですけどね。ちゃんと伝わってるか心配だったんですよ。でも、ネット上の反応で言うと、いままでのライブのリアクションとは違った感想を書いてくれてるから、「あ、伝わってて良かったな」と思います。
    ------いままでの感想とはどう違うんですか?
    やっぱり「楽しい」っていう感想が大多数を占めてたと思うんですけど、今回は、たとえば「どこに感情を置いて良いのかわからなくて考えてる」とか、そういう不安定な状態で帰ってくれてたりして。何かのきっかけになるライブができたのかなと思いますね。
    ------そういう感想が出るのも「してやったり」なんじゃないてすか? 今回は、その現場の「楽しい」だけじゃなくて、お客さんが何か持ち帰れるものを残そうとしてますよね。
    そうですね。いままででいちばんメッセージ性が強いライブになってるんじゃないかなっていうのはありますね。
    ------伝えることに重きを置いたのは、『Kisses and Kills』っていうアルバムができて、みんなで考えるようになったということですか?
    みんなでセットリストを持ち寄って、ああだこうだ会話をしていくなかで決まっていったんですよね。もちろんアルバムのツアーだから、アルバムの楽曲がフィーチャーされるようなセットリストにはしたいなと思って演出も考えたんですけど、今回は規模感が違うツアーをまわるから、別々で考えなきゃいけないこともあったんです。アリーナではお客さんの距離が遠いけど、そのぶん何かを持って帰ってもらいたい。逆にライブハウスではライブハウスだからできることもやりたい。だから、まずアリーナでやりたいことがあって、それをどこまでライブハウスに還元しようかっていう順序があったような気がしますね。

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